「LLMO/SEOの現在地」は、検索とAIのいまを事実ベースで定点観測するシリーズです。今回は、この1年で検索に何が起きたのかを、2つの一次情報から整理します。

何が起きているのか(事実)

まず、検索そのものの形が変わりました。Googleは公式ブログ(2025年9月9日)で、対話型のAI検索「AIモード」の日本語提供開始を発表しています。複数回の検索が必要だった複雑な質問に、AIが一回で回答を生成する仕組みです。

次に、その影響を測った調査があります。米国のPew Research Center(2025年7月公表)が900人の実際の閲覧行動を分析したところ、検索結果にAI要約が表示された場合、従来の検索結果リンクをクリックした割合は8%。表示されなかった場合の15%に対して、およそ半分でした。さらに、AI要約の中の引用リンクがクリックされたのは、わずか1%です。

つまり「検索順位で上に出れば見てもらえる」という前提が、数字の上で崩れ始めています。

この数字をどう読むか(私たちの見解)

「SEOは終わった」と騒ぐ声もありますが、私たちはそう読んでいません。同じ調査には、AI要約の有無にかかわらず、検索の大半はもともとどこもクリックせずに終わっている、というデータも含まれています。検索から必ず訪問が生まれる時代は、実はずっと前から幻想に近かったのです。

変わったのは「答えが表示される場所」です。以前は自社サイトの中で答えていた。これからは、AIの回答の中で自社が引用され、名前が挙がるかどうかが問われる。クリックが減っても、「あの会社が言っていた」という形で情報が届くルートは残ります。むしろ、そこに載れるかどうかの差が開いていく、というのが私たちの見立てです。

中小企業が今できること

Pewの調査には、もうひとつ実務に効く数字があります。「誰が」「何が」「なぜ」といった疑問形の検索では、60%でAI要約が生成されたという点です。お客様が質問文で調べるほど、答えるのはAIになる。ということは、自社サイトに「よくある質問と、その率直な答え」を載せておくことが、AIに引用されるための地道で確実な準備になります。

以前の記事「LLMOって何?」で書いた基本——事業内容を具体的な言葉で書く、会社の基本情報を整理する、FAQを載せる——は、今回の数字で裏付けが増えた形です。特別な裏技は、今のところ必要ありません。

おわりに

検索の変化は速く、断定は禁物です。だからこそこのシリーズでは、出典のある数字だけを積み重ねて、現在地を定期的に確かめていきます。慌てず、しかし目は離さず。それが今の最適解だと私たちは考えています。

参考

Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」(2025年9月9日)
https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/

Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年7月22日)
https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/

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